父と息子 経営塾で気づいた
感謝の気持ち 株式会社丸辰産業
代表取締役 鈴木 文男
専務取締役 鈴木 慎太郎

インタビュー音声公開中!

ロジャー

今日は宮城県栗原倫理法人会専任幹事の鈴木文男さんと幹事の鈴木慎太郎さん親子でございます。

遊花

ようこそ〜! こんにちは、よろしくお願いします。

ロジャー

主に土木一般土木をやられていて。お父様が社長で、息子さんが専務で。 場所は栗原市築館なんですか?

鈴木 慎太郎

はい、そうです。

ロジャー

今日は遠いところをお越しいただいてありがとうございます。 どんな会社なんでしょうか?

鈴木 文男

一般土木でも災害工事をやったり、宅地の造成、道路を作ったりとかですね。 あとは伐採工事。伐採作業は機械を使わない手でやる作業。主に高速の作業車で出てています。それと、冬は除雪作業です。

遊花

除雪ね!

ロジャー

除雪は大事な事業の一つになっていますよね?

鈴木 文男

そうですね。皆さんに喜んでいただけるんで。 除雪・融雪で少しでも地域の役に立てればと思っていました。

ロジャー

そうですか。会社の創業はどのくらいですか?

鈴木 文男

創業としてはだいぶ古い1968年です。私が引きついだのが2011年になります。 私になって12年目ということです。

遊花

震災の年じゃないですか?

鈴木 文男

はい、そうですね。

ロジャー

また大変なタイミングじゃなかったですか?

鈴木 文男

タイミングっていうかですね、私は人間はいいんですけど…。 私がサラリーマンする会社が全部倒産しちゃうんですよ。

ロジャー&遊花

(爆笑)

ロジャー

すみません、なんの話ですかそれ?

鈴木 文男

いやいや、そうなんです。

遊花

それまで会社員だったんですか?

鈴木 文男

そうですよ、真面目な会社員です。

ロジャー

経営を急に任されるとはどういう経緯で?

鈴木 文男

勤めた会社が2社とも倒産したんですね。それでお付き合いしていた方から「会社抜きにしてずっと付き合いたいんだよ」ということで。ただ、個人だといろいろ法的な問題もあって。建設の許可を取って会社を作りなさいというお話をいただいたんです。

ロジャー

ああ、そういうことなんですか!

鈴木 文男

そうしてるうちに知り合いの方から「継承してくれればいいっていう会社あるけど、どうだ?」っていう話になって。渡りに船で乗っちゃったんですよね。

遊花

へえ!乗っちゃったんですね!

鈴木 文男

それが現在に至る!という形になってました。

ロジャー

そうですか!

遊花

息子さんはその話は大人ですからわかりましたよね?

鈴木 慎太郎

ええ、僕が気づいた時にはもう経営してたんです。 何年かして知ったという形でした。

遊花

ああ、そういうタイプ(笑) 「会社員だったはずの親父が社長になってんど!?」みたいな(笑)

ロジャー

しかも震災の年ですから、今12年目に入ったんですかね。 その時、慎太郎さんは何歳だった?

鈴木 慎太郎

23、4歳ですね。

ロジャー

その時はこの会社で働くと思っていましたか?

鈴木 慎太郎

まだ、なかったです。 建設業っていうものに携わってこなかったので。「ついに独立できたんだな」と「おめでとう」ぐらいの気持ちしかなくて。自分には実感も全然なかったので。

ロジャー

そうですか!でも、お父さんの会社に入るっていう決断は大変だったんじゃないですか?自然と入ったんですか?

鈴木 慎太郎

倫理法人会の学びからでもあるんですけども。 その中で親に感謝するっていうものから、父がどういうふうにやってきたのかという話を聞いたりして。 親孝行ではないですけど…。ちょうど結婚するタイミングで、妻のためにも安定した職業をって気持ちがありました。父の想いも継いでいこうと。

ロジャー

こういった職種っていうのは、本当になくてはならない。地盤というか、土台ですからね。

遊花

ほんとうに!

ロジャー

で、今ご結婚されて専務でございます。

遊花

社長も嬉しかったんじゃないですか? 息子が一緒にやってくれるっていうのは。

鈴木 文男

それは、ねえ。目の前では言えないですけど(笑)

ロジャー&遊花

(笑)

ロジャー

やっぱり嬉しいですよね。

鈴木 文男

でも、ここまで来るまで紆余曲折がいっぱいありましたんで。 かなり順調な時期があったのですが、そこから奈落の底を見たり、そこから這い上がったり。 いろいろありました。

ロジャー

事前にアンケートを取らせていただいたんですけれども「経営者として抱えていた悩みは?」というところに、社員の方がお辞めになられて、倒産の危機って書いてあるんです。これをどう乗り越えていったんでしょうか?

鈴木 文男

はい。自分が育てた社員がいっきに10人抜けたんです。二ヶ月間で。

ロジャー&遊花

えええ?(驚)

鈴木 文男

残った社員に「後ろを見たってしょうがない。前を見て頑張りましょう!」と言われて。彼らがそういうことを言ってくれるんだったら、自分も頑張らなきゃいけないなぁと思って。そう思った途端にいいことが舞い込んでくるんですよね。

遊花

へえ?

鈴木 文男

新しい人が5人、入ってきたんですよ。同じような若い子が。 それから巻き返しっていうか、今を迎えるにいたったんです?

遊花

社員の方が言ってくれるっていうのはすごくないですか?

鈴木 文男

本当、ありがたいです。

ロジャー

あらためて組織力、会社の意味っていうのね。みんな束になって、どうやって力を出すかっていうことですからね。 宮城県倫理経営塾っていうのもありまして、これにも通われてるんですか?

鈴木 文男

私は19規期生で。専務もこの経営塾に入れようと思ったんですよ。 その時に、何を思ったのか失踪しちゃったんですね

ロジャー

えええ!?だれがですか? 慎太郎さんが?

遊花

息子である専務が!?

ロジャー

「あれれ?どこにもいないぞ?」みたいな(笑)

鈴木 文男

そうそうそう(笑) 社員は辞めるわ、息子は失踪するわで大変でしたよ。 でも、その中でも経営塾にすごく興味があったんですよ。当時の塾頭が宮城全部の単会を回ってきてお話された中に「志なきものに理念なし」というのがあって。そうだよなあと思って経営塾に入りたかったんですよ。私、見かけがすごく若いんですけど…

ロジャー&遊花

(笑)

鈴木 文男

トシが邪魔して入れないのかなと思ったんですが、登米市の会長さんが私の1個年上だったんですよ。「経営塾、2人で入れば年齢も怖くない!」っていうことで決心ついて入って。今、こういう気持ちでいられるのもこの経営塾の影響がすごく大きいです。

ロジャー&遊花

へええ。

鈴木 文男

それまで、親なんていうのはそんなに重く考えてなかったんです。けれども、親のありがたみを知ったことですごく自分が変わりました。 それまでは酒は飲んで当たり前、仕事にすればいいんだとそんな感覚でした。家庭も大事にしない、友達も自分に都合のよい友達を選んできたのですが「一人じゃないんだよ」というのをつくづく教えてもらってね。 富士研究所ってところに、経営塾で二泊三日で行くんですよ。その時に親のありがたさを学んで。 そこに、妻からの手紙が来るわけですよ。

ロジャー&遊花

えええ!!(驚)

遊花

なに、その演出!

鈴木 文男

びっくりするでしょう?

ロジャー

これは文男さんは、知らないわけですか?

鈴木 文男

知らない、知らない! 妻がこういうこと考えているのかとボロボロボロボロで…

ロジャー

泣けてきたと?

鈴木 文男

最大級の涙ですね。 親に対する、妻に対するありがたさ、家庭のありがたさ、そして社員のありがたさ。感謝を感じるようになったんですね。 それから業績が右肩上がりで。これって不思議です。

ロジャー

それがまったくないと辛いかもしれませんね。独りよがりになっちゃってね。

鈴木 文男

私も倫理は学びはじめた頃だったんですけども、ロジャーさんのおっしゃるとうり、ひとりよがりのとこがいっぱいあったんんですね。自分がだんだんと鼻が伸びてくっていうのは気づかないんですよね。経営塾に入らなかったら、今の会社も自分もない。たぶんなかったでしょうね。

遊花

へええ、そんな風に変われるっていうねえ。

ロジャー

本当にすごい影響力ですね。

遊花

”親のありがたみ”っていうのをすごく頷いて専務は聞いてましたけど。 どうしたの?

ロジャー

なに、その答えづらい質問(笑)

遊花

私は、それが気になって気になって。 まあ、全部は言わなくてもいいですけど、ちょっと離れたときがあったってことですね?

鈴木 慎太郎

そうですね。そういう時期があって、戻ってきたという形。

ロジャー

でも、それがあっていろいろ気づいたことがあったんじゃないですか?

鈴木 慎太郎

そうですね。僕もその宮城倫理経営塾の21期生なんです。 先月、富士研究所の方行って参りまして、親のありがたみというものを本当に感じました。そこで感謝するって気持ちですね。物事を一つひとつ。しっかり腰を据えて本質を見抜いた時に「どこかに父がいたんだな」と思える部分がありまして…。感謝と言うよりも恩と言いますか。 恩返しじゃないですけどね。なにか親孝行を少しでもやって行きたいなって言う気持ちが芽生えたので。

ロジャー

事前のアンケートにも、”感謝”という言葉が何回も出てきて。 本当にね、あって当たり前じゃなくて、”ありがたい”っていう気持ちが土台にあるんだなと思います。慎太郎さんが実践していることってありますか?

鈴木 慎太郎

そうですね。先ほど言った感謝の心を持つのもそうですし、どんなことにも感謝できるかどうかで、自分の心を自分で試している感覚といいますか。人に感謝できる自分がいるっていう事に気づけるのが、自分の成長につながると思います。 内容的なもので言えば、父が誰よりも早く出社するんですね。開錠したり、窓を開けたり、車両のエンジンをかけたりしていたので、それを真似するようになりました。私が父より必ず先に出社するようになりました。 自分自身が変わった時にその周りが変わるって言いますが、父はこういうことをやってきたんだなっていうのを気付けるようになったっていうのを肌で感じていますね。

遊花

引き継がれていって、その精神っていうか思いもわかったっていうのはいい連鎖じゃないですか?

ロジャー

だって社長「早く来い」って言ったわけじゃないでしょ? そういう背中を見ながら慎太郎さんを学んで「よし、俺も早く行ってみよう」と真似る・学ぶですからね。

鈴木 文男

冬場になって雪が降ったりすると、3時とか2時に私は行きますよ。社員には何時に来いとは言わないんですが。エンジンをかけて温めてやってると喜んで働いてくれるんです。

遊花

それはそうですよねぇ。

ロジャー

ええ、ありがたいですよ。

鈴木 文男

私は出すのは口だけですから。 喜んで、仕事をやってくれればと思うと。そういうことをやることによって、市民の皆さん、地域の皆さんも喜んでいただけるわけですよ。「できることをやらないと!」っていう感覚ですよね。そうすることによって、すごく好循環になるんです。

遊花

なるほどねぇ。倫理の方達が必ずおっしゃるのは、自分が変わることですよね。

ロジャー

そうね。お父様も事前アンケートで「自分が変わる」って書いてあるんですよ。これ、やれって言われてもなかなか人間って変われないですけど、心意気で乗り越えてきたってすごいですよね。

鈴木 文男

本当に私にとっては宮城倫理経営塾に入ったのはすごく大きいです。 相手のかゆいところ、痛いところをすごく感じられますよね。

ロジャー

なるほどね! そんなお父さんを見て慎太郎さんはどんなことを感じますか?

鈴木 慎太郎

口惜しくも、かっこいいなと思ったんですよ。

ロジャー&遊花

(笑)

鈴木 慎太郎

こういうふうにやってきたんだなとか、こういう思いがあって行動をしてたんだなって。もちろんすべてではないですけど、それに気づくことができはじめたので。 気付いたということは、自分が少しずつ変っているのかなっていう実感になりました。 必ず父がやってきたこと、思い出もそうですしね。ぜひ超えてやろうと思っております。

遊花

親子ゲンカしないんですか?会社で。

鈴木 文男

どうどうでしょう?私の方はビッグですから、そういうことはまずない。

ロジャー

なかなかない言葉ですよ(笑) ビッグなんだ!そうか〜(笑)

遊花

まだまだ息子には追いつかれないという…(笑) 普段もこんなふうなんですか?

鈴木 慎太郎

まったく変わりません(笑)

ロジャー

お父ちゃん面白いね!明るい!

遊花

本当に大変な時あったのか?って疑ってしまう(笑) そんな大変な時もこんな感じだったのかな?と思って。これも会社成功している秘訣の一つじゃない?笑いが絶えない。

ロジャー

そうだよね!やっぱり明るい人にはかなわない。 行動している人、明るい人にはかなわない。

遊花

だからケンカにもならないのかな? ふつうは、親子でやってたら男同士ってありそうじゃないですか?そういう話は大好物なので。私はね(笑)

ロジャー&鈴木親子

(笑)

鈴木 文男

失踪する前はやっぱり相手を変えようとしていました。ゴリ押しですよ。

遊花

親ですもんねぇ。

鈴木 文男

そうすると、忍法ドロンの術を使われてね!

遊花

なるほど、そういうのあるんですか?

鈴木 慎太郎

やっぱり息子だから言いやすい部分がきっとあると思う。時に言葉に遠慮がないと言いますか、ざっと言われて、僕も反発してた時期でしたので。

遊花

なるほど、反抗期だったんだな。

ロジャー

でもね、それが土台の土台だったかもしれない。

遊花

今となれば、それがあったからかもしれないしね。この2人の関係と会社は。

鈴木 文男

そうですね。こういう考えを持ってるんだなっていうのを私が気付くと、私が変わればでいいわけですから。

ロジャー

いやいやいや、これがすごい!

遊花

なかなかできないよねぇ! 丸辰産業さんのホームページに『一人でみる夢はただの夢みんなでみる夢は実現できる』って書いてあるのカッコよくない? まさしく丸辰産業さんがやってきたお話ですよね。

鈴木 文男

この話も以前に栗原に来られた講師の方が言ったことばがずっと耳に残って、記憶にとどめていました。私の名刺は今は『夢を掴んで』なんですが、最初は『夢を目指して』だったんですよ。経営塾に行って、卒塾して。自分が変われるようになって、それで『掴んで』に変わったんです。

ロジャー

なるほど、なるほど!

遊花

全然違うね!ニュアンスが違う。

ロジャー

『次世代に残せる町づくりに取り組む』っていうのもホームページの中にありました。 おしまいに一言ずついただけますか?

鈴木 慎太郎

技術的なところもそうですけれども、父がどういう思いで会社を築き上げてきたかっていうのをしっかり感じなが、頑張って追いつき追い越せるような立派な経営者となっていきたいと思っております。

ロジャー

立派でございます。

遊花

ねえ、こういう息子になったら親は嬉しいねぇ、幸せだねえ。

ロジャー

はい。では、社長の鈴木 文男さんから。

鈴木 文男

私も大量離脱があって、その時はどん底でした。売り上げは良かったんですけど、その翌年はもうマイナス決算でした。その後、お陰様で回復してきて、全社員に手当もあげられるようになって…。これをずっと継続していくように。 「会社はみんなが経営者です」この気持ちを持って、利益を還元して。納税することも社会貢献ですね。納税できる会社をを目指して。 また専務には、私の夢と、もう一つ大きいスケールの夢を抱いてやっていただければと思っています。

ロジャー

今日はたくさん学びましたね。 株式会社丸辰産業からお父様鈴木文男社長、そしてご子息の鈴木慎太郎専務でございました!お2人とも、どうもありがとうございました!

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