苦難は幸福の門、コロナ禍で高齢者介護の未来 株式会社一輪の花
代表取締役 千葉 裕一

株式会社一輪の花|代表取締役 千葉 裕一

インタビュー音声公開中!

ロジャー

宮城県倫理法人会のコーナーでございます。今日、お招きいたしましたのは登米市倫理法人会広報委員会委員長 千葉裕一さんでございます。千葉さんこんにちは。

千葉

こんにちは!よろしくお願いします。

遊花

こんにちは! わざわざ登米からありがとうございます。

ロジャー

遠いところすみません、ありがとうございます。 千葉裕一さんは『デイサービス一輪の花』こちらの代表取締役ということでございます。

遊花

すてきな名前!

千葉

ありがとうございます。

ロジャー

これはデイサービス?

千葉

はい、高齢者向けのサービスですね。

ロジャー

遊花師匠も言ってましたけども、素敵なお名前でございますね。

遊花

これ、千葉さんの命名で?

千葉

はい、宮城倫理経営塾の三講目のときに講師さんの講話中に、上から降ってきたんですね。

ロジャー

(笑)

遊花

講話を真面目に聞いている顔で「施設名は一輪の花にしよう!」って?

千葉

真面目に聞いてたんですけど、出てきたんですよ(笑)

遊花

忘れない名前ですねえ。

千葉

うん、そうですね。 知ってる方には「飲み屋さんの名前みたいだね」って言われたことがあるんですけど。

遊花

「いらっしゃ〜い」ってママが出てくるみたいな(笑)

ロジャー

いらっしゃいじゃない!(笑)

遊花

でも、”明るい”とか”優しい”とか”きれい”とかそういうイメージですよ!

千葉

ありがとうございます。

ロジャー

はじめられて、どのぐらい経つんですか?

千葉

今、8年目になりました。 高齢者・お年寄りの方たち、我々はだんだんと輝きを失ってくるわけですね。 イキイキと昔の輝いてた頃に戻っていただきたいという思いで、お一人おひとりで接しさせていただいて。そうすると、だんだんだんだん口数が多くなって、いろんなことを話してくださるわけですね。

ロジャー

いいことですね!

千葉

そのイキイキしたその目の輝きと、お一人おひとりのいろんな人生が詰まってて、そういったところをこうお聞かせいただいて、私たちも共に学ばせていただいているというところです。 これが、この仕事の一番の醍醐味ですね。

遊花

懐かしい思い出の話とかしてもらうと、元気になるし。 そういうことって、お話したいっていいますもんね。

千葉

そうですね、はい。 なかなかご家族の方々は何回も聞いてるので「また同じ話がはじまったか…」っていう捉え方になっちゃうと思うんですよね。

ロジャー

なるほど!そういう傾向ありますよね、どこのお宅でも。

遊花

忙しいからそこにじっくり付き合ってられないんだよ!おばあちゃん、おじいちゃんっていうのもありますもんね。

千葉

そうそうですよね。家族でないから、他人だからこそ、そういったところをきちんとこう受け入れられるのかなっていうところもありますよね。

ロジャー

「デイサービスあってよかった!」っていう人はいっぱいいますからね、この10年20年でね。

遊花

そうですよ。

ロジャー

やっぱり支度して出掛けていくって大事ですよね。 さっきの話にありました「回想法」というのがありまして。昔の思い出話に花が咲いて、お年寄り同士、またスタッフとの会話なんかいいですね。やっぱり「目が輝く」とおっしゃっていましたけども。

千葉

はい。

ロジャー

でも、こういう事業をやるっていうのは相当な覚悟があると思うんですけど。そのきっかけ、その決心に至るまでの思いはどうだったんですか?

千葉

そうですね。私は入社する時に、まったくのの畑違いの仕事をしてまして。 営業職をやってたんですけど就職先が見つからなくて、ある方から「私の知り合いで新しい仕事、介護の仕事をはじめた人がいるんだけど会ってみないか?」って言われまして。 それで会いに行って「千葉クンその今の仕事していて楽しいか?」って言われたんですね(笑)

ロジャー

いきなり「楽しいか?」って言われてもね(笑)

遊花

なかなかねぇ

千葉

「楽しく仕事してみないか?」って言われまして。それがずっと残ってまして、ちょっとやってみようかなーって思ったのがきっかけなんですけど。

遊花

思っちゃいますよね!もっと楽しく仕事をしてみないかって言われたらねぇ。

千葉

そうなんですよ!

ロジャー

何でもない言葉ですけど、響くかもしれないですね。

千葉

楽しいのかな?とか思いつつ、やっぱり苦労はしました。

ロジャー

どういうところに?

千葉

私は潔癖症な人間で…。もともと人と食事なんかしてて、大皿で人が手つけたものとかがダメなタイプで。そんな人間が介護やったものですから…。

ロジャー

ちょっと確かにそれはねぇ。エネルギー必要ですよね?

千葉

そうですね。3日ぐらいした時に、ご利用者さんの入浴介助があったんですね。2人でしてたんです、先輩と。その時におしりをこう洗ってさし上げた時に刺激されて…、ちょっと出てきちゃったんですよね。

ロジャー

ああ、出てきちゃったんですね。

遊花

気持ちよくなっちゃってね。

千葉

はい。うんちが流れてきたわけですね。で、私の足がすっかり隠れるくらい…。 で、その光景を見たときに「ああ、もういいや!」って思ったんです。

遊花

逆にね?

ロジャー

もういいやっていうのは、吹っ切れたってことですね?

千葉

「こういうことなんだよな介護って、みんな出るものは一緒なんだ」って。 自分だってね、同じもの出るわけで。私は子どものおむつ交換なんかも、本当に1回2回しかしたことなかったんです。

遊花

なるほど。自分の子育ての中でね。

千葉

そうなんです。それも反省しまして。その時からですね、本気になってできるようになりました。楽しめるようになってきました。うんち流れるのを見て笑ってる。

ロジャー

千葉さんの中で何かが変わった瞬間だと?

千葉

そうですね、弾けたんです。

ロジャー

そこからは潔癖症ではあるけども、そんなに気にならずお世話できましたか?

千葉

そうですね、はい。

遊花

わかんないもんですね。実は最も苦手とするタイプの仕事だったかもしれないのに、その一つのできごとでどんどん本気になって。

千葉

そうですね。

ロジャー

大変な仕事ですからね。 そこでいろんな課題をかかえながら、お悩みになって、倫理法人会といつしか出会うわけでございますけれども… そのときの課題とか、修正点っていうのは何だったんですか?倫理に入ったばっかりのころの。

千葉

私は人前で話をするのも苦手で。高齢者の方とのコミュニケーションをどういう風にやっていいかがわからなかったんですね。そういうのですごく悩みでして。 結局はその方のことをよく知る事が一番大切なんだって思って。今までの生活の仕方とかですね、何をしてきた方なのかとか、そういったことを知ることで、会話の幅が出て。心から寄り添える感じになってきて。

遊花

それは倫理法人会に参加することで変わってきたって感じですか?

千葉

はい、そうですね。勤めた先で、倫理法人会に入ってたものですから。それで大崎の倫理法人会のに通うようになりまして。そこでいろんな社長さんたちのお話を聞く機会を得たんですね。すごい方たちなんですよね!来る方たちは。

遊花

社長さんたちね。

千葉

社長さん達、おんちゃん達はなんでこんなにしゃべれるのかな?っていうふうにも思いましたし、こういうふうになりたいなーって、いつか自分こういうふうになれるのかな?っていう思いもあって。聞くことから始めれば自分も話せるようになるかなとか思いつつ。

ロジャー

なるほど。そこ重要ですよねえ。でも、お手本を探そう!ああいう風になりたいな!っていう気持ちってすごい大事だと思うんですけども。すごいんですよね、そういう時に吸収する力ってね。そこで、いろんな人のしゃべり方、話す内容とか思いとか気持ちを学ばれたんでしょうね。

千葉

私は登米で、中江の会社の近くに『若鮨』さんってあるんですけど、そこの伊藤俊朗会長がすごく面倒を見てくださったんです。その当時、会長されててですね。私も仕事も会社立ち上げたばかりで何もわからなかったんですけど、いろんなことをただで教えてくれたり、駐車場を貸してくださったりとかですね。面倒を見て頂きまして、本当に感謝しています。 大きないい見本があって、そこを真似して来たっていう感じですかね。

遊花

社長というと、一番上のような感じがしますけど、倫理でそういうさらに先輩のような人とか導いてくれる人がいるっていうのは、これは相当助かりますね。

千葉

そうですね。そこが倫理に入っててすごく助かってるっていうか、今の自分がもし倫理に入ってなかったらどうなってたのかなっていうところですよね。

ロジャー

『万人幸福の栞』にはいろんなことが書いてありますけども、そのなかで学べたものっていうのはありましたか?

千葉

そうですね、やっぱり苦難にぶつかった時ですよね。 一昨年の12月に登米市の介護事業所で、初めてコロナの陽性者を出してしまったわけですけど。 その時も本当にずっと休みなしで働いてて「なんでウチなの?」って、「なんで俺なの?」っていう気持ちですごくショックを受けたんですよね。 で、3日目のときに保健所から電話がかかってきまして「今日、3件目が出たので報道の対象になります」って言われて。

ロジャー
&遊花

あああ〜

千葉

もう、人生終わった感じがしまして。 その時に、家族から電話をもらったりとか、昔いた職員さんとか、利用者さんのご家族とかから、励ましのお電話をちょうだいして、それでまた立ち直る機会ができたのかなと思いますね。

ロジャー

そうですか。

千葉

倫理では「苦難は幸福の門」っていう学びがあるわけですけど、「こんな苦難が来たんだから後は幸せしか来ない!」っていうふう思うしかないかなと。 15日間営業停止になった…、「働きが最上の自分の喜び」だったのにもかかわらず、そういう目にあってしまって。でも、ちょっと立ち止まってもう一回やり直しする機会をいただいたのかなというふうにも思いましたしね。 とにかく信じてやるしかないんだ!っていう。 支援してくださった方が本当にたくさんおりましたので。

遊花

栞の中の言葉にもいろいろ支えられますね。 こういう言葉を知らなければただ、苦しい苦しいだけど、その一つ言葉ね。 「苦難は幸福の門」もそうですけど、その言葉を自分の頭の中で唱えるだけで、ここからあとはもう幸福だ!って思えたりとか。いっぱい知ってるのはいいですね。

千葉

そうですね、はい。 本当に助けになりました。

ロジャー

見通しが出てくるような言葉がいっぱいありますもんね。 先へ続く道ができるような勇気をいっぱいいただけるわけですからね。

千葉

はい。

ロジャー

「万人幸福の栞」は倫理法人会に加盟しますと、この小冊子がいただける。私もたまに読むんですよね。非常にいいことが書いてあって、基本の基本を書いてあると思うんですけれども、大変な時ってなんか気付かないんですよね。「あ、そうかこういう考え方でいいか!」みたいな。 今なんか実践されていることって何かありますか?

千葉

毎日、拝むことですね。神様と仏壇に手を合わせて。

遊花

神棚、仏壇に?

千葉

ご先祖様、そしてたくさんの高齢者の方を見送ってきたんですけれども、その方達も含めてですね。手を合わせています。 本当に不思議なことが起こるんですよね。この間のけっこう強い地震あったとき、75型のテレビがデイルームにあるんですけど、それが後ろに倒れちゃったんです。

ロジャー

ええっ!

千葉

それで後ろのテーブルに置いてあったパソコンとかタブレットと、その間に利用者さんの写真立てが挟まって壊れなかったんですよ。

ロジャー

あららら、壊れなかったんだ!

千葉

はい。額だけは壊れちゃったんですけど、写真もきれいに残ってまして。 本当に助けてくださったんだなぁっていう。

遊花

テレビとかパソコンなんかも危ない!って、そこに予定して挟まってくれたっていう。

千葉

ええ。「なんでココに飛んでくるの?!」っていう位置からだったので。

ロジャー

そうですか!不思議だねぇ。

遊花

そういうことを昔の人たちは結構信じてたりしたから。 じいちゃんばあちゃん、毎日ちゃんと手合わせてましたもんね。そういうことなのかな?

千葉

そうですね。いつも守ってくださってるんだなあっていうところで、自分の自信にもつながっているのかなというところですよね。

ロジャー

今充実されていると思いますけど、いろいろ乗り越えてきましたね。去年から今年にかけてね。

千葉

はい。

ロジャー

これからはどういうふうに行こうと考えていますか?

千葉

今日こういうふうにラジオ出させていただいて、こうやってお話させていただくのも不思議だと思うんです。私は本当に人前で話すのがとても苦手で…

遊花

にわかには信じがたいですけどね(笑)

千葉

いやいや、本当なんですよ! 今、倫理法人会でも県内レクチャーというのをさせていただいていて、毎月1度講話をさせていただいてるんですけど。そういう席とか、私は介護とか医療関係のことを多数させていただいてますので、高齢者の方々が本当に困らない介護とか医療を受けられるように、世の中を変えていけたらなあという思いがありまして、外に出てそういったこともお話させていただいております。

遊花

そうですね。施設の中もちろんですけど、外の人の意見とか思いを聞いたりすることも大事かもしれないですもんね。

千葉

関係してる介護事業所の方たちだけではわからないこととか、一般の方達が入院しちゃったらどうなるのか、介護を受けるようになったらどうなるとか、不安なことはいっぱいあると思うんですよね。そういったことを広く知っていただいて、自分たちが受けたいサービスを受けられるっていう世の中にして行きたいなと思いますね。 選択肢は自分にあるというね。

ロジャー

なるほど! 経営者の皆さん、このラジオを聞いてるかもしれませんけれども、ストレートに言いますけど、入会していただきたいなと思います。 悩める経営者とは限らないんですけれども、皆さんに向けて何か一言頂けますか?

千葉

経営者の方々って結構孤独なんじゃないかな?と思うんです。まあ、経営者の方に限らずですけど、人間ってみんな孤独で寂しいところってお持ちだと思うんですけど、そういったところをみんなと共有できる。たぶんおんなじところを通っていくんじゃないかと思うんですね。 経営していると必ず悩みが色々あると思うんですけど、そういったこともみんな通ってるので、何かアドバイスをできると思うんです。 倫理法人会の方々は飾らないで、本音で言ってくださるので。ぜひ、仲間になっていただければ仕事の方もうまくいくんじゃないかなと思います。一緒に楽しんで行きたいなと思いますんで、多くの仲間を募りたいです。

ロジャー

どうですか、師匠?

遊花

ここでお話してくださる方は、倫理法人会で仲間や先輩やそういう人に出会えて「大変だけども頑張っていきましょう」っていう、そういう気持ちになれることが良いですよね。自分自身がね。

ロジャー

それは何よりの力かもしれないですよね。 素敵なお話をいっぱい聞けました!今日お招きしたのは『デイサービス一輪の花』の代表取締役 千葉裕一さんでございました。どうもありがとうございました。

千葉

どうもありがとうございました。

ロジャー

勉強になりました!

遊花

ありがとうございました!

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