老舗の畳屋から独立を決意した倫理法人会との出会い 和のくらし
畳職人・経営者 今野 淳志

和のくらし|畳職人・経営者 今野 淳志

インタビュー音声公開中!

自然の成り行きで畳職人の道へ

ロジャー

さて、この時間は宮城県倫理法人会のコーナーでございます。
今日は、立町で畳をみなさんに提供されているという「和のくらし」の今野淳志さんでございます。
こんにちは、ようこそスタジオに!ありがとうございます。

今野

こんにちは。よろしくお願いします。

遊花

こんにちは!よろしくお願いいたします。
ポロシャツがかっこいいんですよ!

ロジャー

深緑に白い文字で「畳」という古文字で。

遊花

昔(の文字)はみっつ田んぼがのってるんですね。田んぼの田がね。かっこいい!

今野

そうです。
100年以上続く老舗の畳屋の三男として

ロジャー

かっこいいですよね。目を引きますよ。
さて、今野さんは三人兄弟の三番目、三男さんということですね?

今野

はい、三男です。

ロジャー

創業はどのぐらいなんですか?

今野

私は独立して10年。

遊花

独立して10年。「和のくらし」がね。
ご実家の方…もともとの畳屋さんは?

今野

100数年になるかと思います。

遊花

だよねぇ!

ロジャー

100数年?!そうですか。
じゃあ、お父様、おじい様の代のずっとその前からですか?

今野

はい。

ロジャー

そういうことですよね。
淳志さんはお若いころから…、学校を卒業してすぐに決心して畳の世界に?

今野

そうですね。自然に畳屋をやるもんだと思っていたので。
ちょうど私が高校卒業した時に、兄弟三人がみんな学校を卒業する年だったので。

遊花

なるほど!

今野

なので、私は一年間ちょっと遊ばせていただきまして(笑)

ロジャー&遊花

(笑)

遊花

なんで遊ばなきゃなんねぇんだ(笑)
でも、子供の時から「誰が継ぐんだ?」「長男だからお前でねぇか?」とか、そういうゴニョゴニョしたのってありました?

今野

とくにないですね。
なんとなく、うちの兄が継ぐんだろう…で、私たちは何か補佐をするのかなぁ…っていう感じ。

遊花

ほかのことじゃなくて、やっぱり畳屋さんと考えていた?

今野

そうですね。畳屋に入ってなにが必要なのかってわからなかったんですよ。
ずっとお手伝いはして、作業はしてたんですけど。でも、畳屋をして行く上で何が必要なのかがわからなくて。どういう所とつながっているのかもわからなかったので、一度入ってこういうところに移ってもいいかな?って思いながらやってたので。

ロジャー

へえ

今野

なので、畳屋に入るのも「やることがないからよろしくね」っていう(笑)

遊花

そのぐらいの方がいいんだかもしれないよねぇ。
今野さんご自身も職人さんなんだよね?

今野

そうですね、はい。

ロジャー

やっぱりお父さん、おじいちゃんがやってたところ、現場は見てたわけですか?

今野

そうですね。

ロジャー

いつぐらいから意識して見るようになったんですか?

今野

まあ、生まれた時から目の前で職人さんが作業しているので…

遊花

そうだよねぇ

ロジャー

「俺もこの仕事やるんじゃないだろうか」みたいに意識して見るようになったっていうのは、高校生ぐらいですか?

今野

中学生ぐらいですかね。小さい頃から畳を運ぶ手伝いはしていたんですけど。

ロジャー

重いあの畳を!

今野

作業をしはじめたのは中学校の夏休みぐらいに「手が足らない」って言われて。

遊花

やっぱり、中学生から働き手として加わってたんだね。
そういうの私たちわからないじゃない?老舗の職人さんたちのね。

ロジャー

苦労っていうのはねぇ。

遊花

で、今そこを継いでいるのがご長男?
お兄さんなんですよね?

今野

はい。そうなんです。

遊花

安心したりして、勝手に(笑)

強烈だった”畳屋さん”っていうイメージ

ロジャー

淳志さんは独立されて、また別な畳屋さんを立町でやってらっしゃるという。

今野

はい。

遊花

でも、畳屋さんなんだ?
別の方に行かなかったんだ?

今野

そうですね。辞めるきっかけになったのも、この倫理法人会にあったんですけれども…

ロジャー

あ、そうなんですか?

今野

一回、実家を抜けた時に他のことをやろうかなって考えたんですが、みなさんに”畳屋さん”っていうイメージしかなくて。
やめてもみんなに「畳屋さん畳屋さん」って言われちゃうと、畳屋以外やれないなぁと。

ロジャー&遊花

(笑)

ロジャー

他になにかやりたいなってことはあったんですか?畳以外で。

今野

それはなかった!
ずっと「実家の会社を残して行きたいな」っていうのは思ってたので。どういう形でも関わっていきたいと思っていたので。

ロジャー

なるほどね!

遊花

で、結局独立はしたけど、自分もしっかり畳屋をやっていこうと。

今野

うん、そうですね。

ロジャー

今、いろんな畳があるじゃないですか?
コースターとかランチョンマットとか…、いろんな所に畳が。

遊花

うん、小物でね!

プロポーズにハート形の畳を制作

ロジャー

淳志さんは新しい開発と言うとアレですけど、なんかあります?
オリジナルの自慢のものみたいな。

今野

自慢のもの…
私、バツついているんですけれども(笑)元奥様と結婚する時には、ハート型の畳を作って「結婚してください」って言いました。

ロジャー

あらっ!

遊花

へえ!それが実ったんじゃない?!
実ったのに(笑)

今野

実ったのに…ですね(笑)

遊花

いわゆる曲線とかできるんですか?

今野

はい。ある程度の技術は必要なんですけどね。

ロジャー

そうですよね、うん。

遊花

観光地のベンチとかにそういう楽しい形の座布団とか置いたらよくない?
いろんな街に売り込んだほうがいいよ、それ!

今野

けっこう、大変なんですよね(笑)

遊花

大変だよね!私も言ってから「いや、簡単じゃねぇな」と思ったんだけど(笑)

ロジャー

あの曲線がね。ほんと、結婚式場と契約するとかね(笑)

現代の畳事情、需要は?

遊花

こういうものもやってかいないと!
まず、和室が少ないじゃないですか、住宅に。
で、昔の畳って重いしね。天日干ししたりとかさ、今はそういうのじゃないんでしょう?

今野

まあ、軽いのもありますし、重いのもあります。

遊花

でも、今野さんたちがお仕事できてるっていうことは、やっぱり畳はなくならないんだね。

今野

なくならないと思います。願ってます。

遊花

逆に見直されてきてるのもあるじゃないですか、今?

今野

そうですね、リビングに「置き畳」って小さい四角いものを何枚か並べてって…いうのが結構多いみたいで。

ロジャー

なるほど!

今野

私の方にも「そういうのがありませんか?」「作れませんか?」っていう話が来ますので。

ロジャー

フローリングの上に半畳の畳を四つ並べたりとかね。

今野

そこで子供を遊ばせるんだっていう。子供のスペースっていう形でっていう話もあります。

遊花

ちっちゃい子供って畳好きだよねぇ。

ロジャー

なんか安心するんだよ、あれね。

遊花

フローリングが多いから畳に一生懸命触ったりとか、寝転がったりとか。
子供って畳が好きなんだなあと思って。

ロジャー

安心するんじゃない?やっぱり。
あの独特の柔らかさとかね。

遊花

ねえ!旅館に行った時も必ず和室で「あぁあああ!やっぱ日本人っていいな!」ってならない?

ロジャー

そりゃ、あんただけじゃない?

遊花

え?!ならない?

ロジャー

なるなる(笑)

遊花

やっぱり日本人には和室がいいんだなって、つくづく思う。

ロジャー

フローリングだけのマンションだって「ここだけちょっと和室にしたいんだけど」って、そういうお客さんいるからね。

遊花

そういうニーズにも応えて。
ご実家との差別化みたいなのは意識するんですか?

今野

そうですね、うちの実家の方は老舗っていうのもあるので、ブランド化を図っているんだと思うんです。
ただ、それだけではどうしても不動産屋さんとか、一般の役所の仕事とかっていうのはこぼれてきてしまうので、そういうものは全部私が拾っていこうかなと思ってます。

遊花

なるほどね。
でも、お兄さんとかお家の方もうれしいんじゃないんですか?
今野さんが独立しても畳のことをやってくれてるっていうのは。

今野

どうなんですかねえ…まあ、なんとも(笑)

遊花

ライバルでもあるし、難しいのかな?複雑だね。

ロジャー

でも、情報交換したりとかするんでしょ?

今野

そうですね、同じ工場を使わせていただいているので。

遊花

なるほどなるほど!

入会当時は「悩みがないのが悩み」だった

遊花

でも、そこまで行くまでにはいろいろ思い悩んだりとか、葛藤もあったんじゃないですか?

今野

まあ、そうですね、いろいろ考えましたね。

ロジャー

倫理法人会との出会いなんですけども、入会してどれぐらい経つんですか?

今野

はい、28の時だったので18年ぐらい前ですね。

遊花

長い!

ロジャー

そうですか!若林倫理法人会?

今野

当時は、仙台中央倫理法人会に入りまして。(仙台)中央から(仙台)はせくらに行って、若林です。

ロジャー

入った当初はいろんなことを学びましたか?
そもそも、倫理法人会に入ろうと思ったときの状況ってどうだったんでしょうか?

今野

とりあえず繋がりが欲しいなぁと思いまして。
いろんな方とお話をしている中で「朝に勉強会があるからおいで」って言われたんですね。なので「じゃあ、行きます!」って行ったのがきっかけだったんですよ。
ただ、何を学ぶかっていうよりも当時は「悩みがないのが悩みです」っていうのが私の口癖だったんです。

ロジャー

はい、はい。

今野

でも、よくよくいろんな方の話を聞いてると「悩みがわからないことが悩み」。
何を悩んだらいいか全然わからなかったんですね。
いろんな業種の方々と話を聞いて「ああ、こういうことを考えなきゃいけないんだな」とか。

遊花

ああ、なるほどね。

ロジャー

ただ、漠然と時間が過ぎるっていうか、そこそこ畳で飯食えるんでなんとなく過ぎていってたってことですか?

今野

父の元にいた時はずっと職人として働いていたので、ただただ流れていたんですけれども。
ちょうど景気も下がって、畳の需要が少なくなってきた時期とぶつかっていたので「何かしなきゃ」とか「どうしたらいいんだろう?」っていうのを考えはじめていた時に、たまたまお話をいただいたので。行くようになりました。

遊花

なるほど。でも、独立するにあたって経営者にもなるわけですから。
そこは倫理の先輩たちからいろいろ学んだんじゃないですか?

みんなのアドバイスで独立を決意

今野

そうですね。「独立しろ」っていうことは一切言われないんですけれども。
悩みがわからない以上解決ができないので「いろんなことからやってみなさい」って。
考えると、どうしても自我が出て「ヤダな、ツラいな、面倒臭いな、このヤロウ」のどれかが出てくるじゃないですか(笑)

ロジャー

人間ってそうよね!

遊花

たしかに(笑)

今野

なので「なにも考えずに目の前に来たことを四の五の考えずにやれ」と言われたので、とりあえず目の前にきたことを一つひとつやっていく間に「あ、もしかすると独立した方がよいのかな」って…

遊花

ああ、なるほどねぇ。

ロジャー

手元のアンケートに「畳屋の三男としてのあり方」って書いてあるんですけども。
倫理法人会に入って、いろんな方のお話を聞いて「ああ、そうか」とか目覚めるものとかってあったんですか?

今野

そうですね。家族経営だったので。跡取りがいない業種でもあるので。
そんな中で「跡取りが三人もいるってことはすごい強みだよ」って。「あなたは飛び出ても、何をやってもいいんだよ」っていうふうに言われたのと、「このままずっと衰退業だ衰退業だっていう話をしていても、家族経営なんだから会社がポシャったらみんな路頭に迷うわけだから、黙って指くわえてちゃダメだよ」って言われたので。

遊花

なるほど、確かに。

ロジャー

いろんな方のアドバイス、お話を聞くうえで、だんだんと経営者の方に…みたいにね。
行ってみていろんな方の話聞いて、今どんなふうに思ってますか?

今野

そうですね「見方が全然違うんだな」って。
我々の畳業界の中で当たり前のことが、他の人は全然知らなかったりとか。
「こんなこと知ってるでしょう!」っていうようなことを知らなかったりとか。
たぶん、私たちが普通に思っていることと、お客様が思っていることが全然違うので、まず違う観点から畳を見つめなきゃな…って感じですね。

ロジャー

なるほどね。

今野

いろんな方から「畳ってどんな印象?」とか「畳っておもて返ししなきゃいけないんだけど、するイメージある?」とかいう話を聞いてると「畳っておもて返ししするの?」とか、「あれってどうするの?」っていうような。
みんな畳を取り替えるっていうイメージもないんだなあ、とか。

遊花

今はねぇ、昔はやったけどね。

行動を変えたら意識が変化!今野さんのセブンアクト

ロジャー

ここに、セブンアクトって書いてあるのは?
これは信条とかモットーとか?

今野

当たり前のことを当たり前に…。たぶん、みなさんも当たり前だと思ってると思うんですけど、なかなかできてないことが多くて。

遊花

例えばね
「挨拶が示す人柄。躊躇せず先手で明るくはっきりと」
「返事は好意のバロメーター。打てば響くハイのひとこと」
「気づいたことは即行即止。間髪入れずに実行を」
「先手は勝手5分前。心を整え完全燃焼」
「背筋を伸ばして顎を引く。姿勢は気力の第一歩」
「友情はルールを守る心から。連帯感を育てよう」
「物の整理は心の整理。感謝を込めて後始末」

ロジャー

ドキッ!(笑)

遊花

言われれば「うんうん、そうそう」と思うけど、これ実践してるか?といったらしてないもんね。

今野

そうですね。なので、一人だと心が折れそうなので娘も誘って。娘が、小さい頃から一緒に挨拶をする。「挨拶は最初の人しかできないんだよ」って言われたんです。

遊花

なるほど!

今野

おはように対しておはようって言ったら、これは返事だから。

ロジャー

ああ、そうか。

今野

挨拶、「おはようと言える人は最初の一人だけ」っていう話を聞いたので。娘にその話をして、翌日からどっちが先におはようを言うかを競い合って。

ロジャー

あははは!なるほど!

遊花

けっこう、タイミング測るときありますけどね。「あっ…あああ、おはようございます」みたいな。最初に自らするっていうね、そうですね。なるほど。

今野

そうですね。

ロジャー

気持ちが変わりましたか?

今野

セブンアクトをするようになってから、考えないでとりあえず行動するんですよ。 今回みたいにラジオのお話しをいただいても、あまり喋るのが得意ではないので「イヤだな」って思うじゃないですか。
でも、間髪入れずに実行するには「イヤだな」って考えていられないので、「ハイ」って受けてやるしかないっていうことを繰り返していると、どうせやるなら気持ちよくと。

ロジャー

なるほど、すばらしいね!

遊花

そうなんだよね。「どうしよう、どうしよう」って悩んでるその時間も実はもったいなかったりして。意外とやってみたら「なんであんなに悩んでたんだろう?」ってことはあるね。

ロジャー

あるね!行動しないと、どんどん不安が膨らむっていう言葉がありますけどね。
行動したら「なんだ、こんなもんか」っていうのと、得るものがいっぱいあったなって、良かったなって思うものもあるしね。
やっぱり、行動するっていいですよね。動くってね。

今野

そのとおりですね。

遊花

ちゃんと記憶して、心にとどめて行動するとたしかに変わるかもしれない。
まずなにがって、自分の気持ちがちょっと変わりますよね。

今野

うん、そうですね。

ロジャー

いや、いいっすね!セブンアクトね。

遊花

やっぱり人脈というのか付き合いとか、そういうのも変わったんじゃないですか?

今野

そうですね。ガラッと変わりました。
全然知らない世界の人たちとよく話すようになったので。

遊花

だって今野さんね、けっこう寄席にもいらっしゃいますもんね!

ロジャー

そうなんですか、お客さんとして?

遊花

お友達といらしてくれて、全然違う世界にも興味というか、アンテナ張っているんだなあと思って。そうなると変わりますよね?

今野

そうですね。自分から足を運ぶようになりましたね。

ぜひ、一度モーニングセミナーへ!

ロジャー

このラジオをお聞きの皆さん!経営者じゃなくても、従業員だって、個人事業主だって入れますからね、倫理法人会。
おしまいにひとこといただけますか?おすすめのポイントとか。

今野

そうですね。朝早くっていうのがけっこう大変だと思うんですよ。
で、朝一発目に自分と「ヤダな、ツラいな、面倒臭いな、このヤロウ」の戦いがはじまると思うので(笑)

ロジャー

それおもしろいな!メモしておこう(笑)

今野

それに打ち勝ってモーニングセミナーに来た人たちの集まりなので。
同じ試練を乗り越えている人たちなので、朝から腹を割って話し合いができるので。ぜひ、一度来ていただけたらなと思います。

遊花

「和のくらし」って検索すれば、ホームページか何かありますか?

今野

今はフェイスブックが。あとはインスタグラムの方で上がってくるかなっていう感じですね。

ロジャー

そうですか?ちょっと検索してみよう!

遊花

例えば、なにか相談したという場合はそちらから?

今野

そうですね、そちらからでも直接連絡いただいても。
あ、連絡先がわかんないですね…

遊花

たどり着ける手段はあるんですか?
フェイスブックにのってないのかな?

今野

のせるようにします!

遊花

ちょっと何百円か出して買うものじゃないからさ。
相談したいとか、それこそ洋室に素敵な感じで畳スペースを作りたいとかあるじゃないですか。「和のくらし」と覚えていただいて、立町にあるそうなので。

ロジャー

ぜひぜひ、ご要望いただければと思います。
「和のくらし」の畳職人、経営者の今野淳志さんでした。今野さん、ありがとうございました。

遊花

ありがとうございました!

平日AM6:00〜
宮城県内20ヵ所で毎週開催中
セミナー開催予定